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今朝、テレビを見ていたら夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と翻訳したかのように語られていたので、今日の画像は昔の夏目漱石が描かれていた1000円札です。
実際の話、夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と翻訳したという話は眉唾物です。明治・大正・昭和初期にはそのような逸話は見受けられず、1970年代になって突然現れ、現代になってそれが急速に広がりました。
夏目漱石は確かにloveは恋や愛という言葉で安直に翻訳する事はできないと考えていたそうです。ただこれは、夏目漱石だけでなく古い日本の価値観を持った人には共通する思いだったようで、夏目漱石以外の多くの人が「I love you」などと言わなくても「海が静かね」とか「いい月ですね」で気持ちが通じ合うのだと主張していました。こうした話がいつしかごちゃまぜになって、夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と翻訳したという都市伝説になったのでしょう。
夏目漱石が関係ないにせよ「月が綺麗ですね」という遠回しな愛情表現が日本的である事には変わりはありませんが、大切なのは「月が綺麗ですね」という言葉ではなく、そうした表現をする奥ゆかしさだと思います。「月が綺麗ですね」という言い回しが「I love you」を意味するという認識が広がった今の時代に「月が綺麗ですね」と言うのは奥ゆかしさに欠けるように思えて辟易してしまいます。