先日、三重県の実家に帰省した時に、ちょうど多度大社で流鏑馬祭が行われていたので、見に行ってきました。
流鏑馬とは「やぶさめ」と読み、馬を走らせながら弓矢で的を射る競技・神事です。三重県の多度大社は馬が急斜面を駆けのぼる上げ馬神事で有名な神社ですが、毎年勤労感謝の日にはこの流鏑馬祭が行われています。全国各地の神社で開催されていて、静岡県でも浅間大社や三嶋大社で、また浜松からだと比較的近い豊川市の砥鹿神社でも行われているそうなので、そちらでご覧になった事のある方も多いかもしれませんね。
狩装束に身を包み馬を駆り弓を引くその姿は、まさに鎌倉武士って感じで迫力がありました。馬を走らせるだけでも、矢を射るだけでも難しい事なのに、それを同時にこなすなんて神技と言っても良いと思います。世界的に見ても、遊牧民など狩りをして生活する民族の中には騎射をする者もいましたが、比較的取り扱い易い短めな弓ばかりで、和弓のような大きな弓を馬上で使うのは日本だけだったそうです。そんな神技を持つ武士が大勢いた日本はとんでもない国だったようですね。
週刊少年ジャンプに連載されているアニメ化もされた漫画『逃げ上手の若君』は鎌倉時代末期から室町時代に移り変わる騒乱の時代を描いた作品なので、そんな神技を持った武士がたくさん登場します。その中でも序盤から主人公の前に立ちはだかる敵役として登場する小笠原貞宗は実在した騎射の達人で、その礼法・弓術・弓馬術は現代まで受け継がれており、多度大社で流鏑馬を披露してくれたのも小笠原流の方々だそうです。また中盤から主人公の頼れる味方となる北畠氏とも多度大社は縁のある神社なので、逃げ若ファンの人はぜひ来年の流鏑馬を見に行ってみてくださいね。ただ、北畠顕家関係だと同じ三重県でも多度からはだいぶ南の津市にある北畠神社の方が良いかもしれませんが。
ちなみに、鎌倉・室町時代だと武士は馬に乗って戦うのが主なので、刀は長くて反りの強い太刀を使っていました。刃を下にして腰に吊るして佩くのが太刀です。戦国時代や江戸時代になると槍が主な武器になったため、太刀よりも扱いやすい短めで反りの浅い打刀とさらに短い脇差の二本差しになっていきます。当店では、そのような様々な種類の刀たちの買取もしておりますので、よろしくお願いいたします。