最近、ホテルなどでのメニュー偽装が話題になっていますね。お客様に嘘をつくのは接客業として失格だと思います。しかも、接客業の頂点ともいえるホテルがそのような事をするなんて、接客業全体の信頼にも関わる大問題です。
ただ、同情する気持ちもないわけではありません。必ず特定の産地の食材が常に手に入るわけではないですし、農産物も水産物も、天候などの影響で手に入らない事も往々にしてあり得るわけです。そんなときに、メニューに記載の食材が手に入らなかったので代用品を使いましたと正直にお客様に伝えるべきなのですが、それを伝える事がホテルでの食事を楽しみにしているお客様の気分を害してしまうのではないかと忖度して優しい嘘をついたのではないかとも思えてしまうわけです。
また近年のデフレの影響で、高級なメニューが出にくくなってきているのでしょう。メニューの値下げとそれに伴うコストダウン、特に高級食材を大量に確保しておくことが難しくなったのだと思います。コストダウンをしなくてはならない実情と、ホテルという高級感の維持の板挟みになった部分もあるのでしょう。メニュー偽装の責任の一端は、われわれ消費者の安さばかりを求める姿勢にもあったのではないかと思います。
ホテルによって、なぜ偽装したのかという内情は違う事でしょう。中には私腹を肥やすために嘘をついていたところもあるでしょうし、お客様のために嘘をついていたところもあるかもしれません。この期に及んで嘘を隠しとうそうとするところもあるでしょう。今回の偽装騒ぎを一面的に見るのではなく、偽装が発覚したところも発覚しなかったところも、今後の対応を見て誠意のあるホテルか、そうでないかを見極めていかないといけませんね。