流行り廃り

流行り廃り何事にも流行り廃りというものがあるもので、趣味の世界にも流行り廃りがあります。例えば切手。かつては切手の収集は趣味の王道と呼ばれ、日本でも切手収集のブームがありました。40代以上の世代の人は、ご自身で集めていた方も多いでしょうし、自分でなくても家族や友人が集めていたという方がほとんどだと思います。先日、テレビアニメの「ちびまる子ちゃん」を見ていたらまる子ちゃんも切手を集めていて、珍しい切手を友達に自慢げに見せているシーンがありました。作中の時代は昭和50年前後で、この時代は大人も子供も誰もがそうやって切手を集めてたものでした。

そんなまる子ちゃんの時代から40年たった現代では切手を集める人は激減し、切手収集という趣味も廃れてきました。さらに、その珍しい切手という基準も大きく変わってきています。基本的に、切手のコレクションは未使用のものの方が価値があるとされているわけで、記念切手は使わずに収集されてきました。その結果、切手収集のブームがおきた昭和30年以降の切手は未使用のまま大量に元コレクターの手元に残されていて、希少価値をなくしてしまっています。その上、今の時代でも収集を続けているベテランコレクターの方たちは、それくらいの時代の未使用切手は当然のように持っているので需要がほとんどないのです。

しかし、逆にこの当時に発行された記念切手が普通に使われているケースが少ないので、この時代の切手が、この時代に使われて、消印が綺麗に入っているものだと、かえって高くなる事があったりします。また、記念切手ではなく普通切手のカラーマークに注目する人も増えてきました。近年の普通切手はシートの耳の部分に、その切手の印刷に使われた色を示すマークが1か所ついているのですが、このカラーマークは普通切手シート1枚につ1つしかないので貴重だというわけです。もちろん、当時の消印付きの切手や、カラーマークでも高くなるのは稀でしかありませんが、こうして切手収集家たちの中でも注目される切手の流行り廃りがあるのでした。

数ある切手のうち、ここ数年で特に流行ったのは中国切手でしょう。今回ご用意した画像は1964年に中国で発行された切手です。この1960年代半ばから70年代半ばまでの中国で文化革命の嵐が吹き荒れていた頃に、日本では切手ブームの真っ盛りだったために、日本の切手だけでは飽き足らない人たちが中国の切手にも手を出していました。その時代の中国で普通に発行されていた切手という事もあり、それほど高額でなく集められたようです。そんな数百円、せいぜい数千円で取引されていた中国切手が、いまでは万単位で値段がつくのですから驚きです。いや、先見の明のある人はその後の日本切手ブームの終焉を予想して中国切手にシフトしていたのかもしれませんね。

逆に激しく廃れたのは琉球切手。やはり同じ1970年前後に、沖縄返還を前に琉球切手のブームが作られ、琉球切手は値上がりすると言って投機的な買い方を進める業者に痛い目にあわされた収集家も多かったようです。額面の何倍もの値段で取引されていた琉球切手はほとんど価値のないモノとなり、投機を煽っていた業者も軒並み潰れました。今ではごく限られた一部の琉球切手にしか高いお値段はつけられません。

こうして、流行り廃りによって、高く取引されていた品が急に価値を失ったり、ほとんど見向きもされなかった品が値を上げたりするのが趣味の世界の怖ろしいところです。今は高い中国切手だって、中国の景気が悪くなれば当然値下がりしてしまいますし、中国の景気もいつまで続くかわからないのが現状です。値崩れしてしまう前に、ぜひ当店にお持ちください。


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