10月の金相場

9月は私用で何度もお休みをいただきご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。9月は悪天候にも見舞われ道路が冠水するような大雨が続きましたし、エリザベス女王や安倍元総理の国葬などもあり、私生活だけでなく、地域的にも、国際的にもさんざんな一カ月になってしまいました。10月は全国旅行支援も開始されるようですので、気を取り直してよりよい一カ月になるよう頑張りたいと思います。皆様よろしくお願いいたします。

さて、9月の金相場はドル建てで見ると1600ドル台の半ばくらいまで落ち込んでいました。最高値は2000ドル程度でしたので、2割近く下がった事になります。これは、アメリカが金利を引き上げている影響です。アメリカはリーマンショック以降の不況から抜け出すために金利を下げてドルの流通量を増やしてきました。ドルの流通量が増えるとドルの価値が薄まって下がっていくので、相対的に金の価値が上がっていきます。それが近年の金高騰のきっかけとなり、リーマンショック前は600ドルだった金相場は1900ドル近くまで上がる事になりました。

その後、アメリカの経済はリーマンショックの影響を抜け出し堅調に推移したため、アメリカは少しずつ金利を上げるようになり、金の高騰は一段落し1200ドル程度に落ち込みました。しかし、世界的な新型コロナのまん延とロシアのウクライナ侵攻と立て続けに異変が起きたため再び高騰し、一時は2000ドルを越え、ここ2年くらいは1800~2000ドルという高水準で推移していました。

それが、今年の夏くらいからアメリカがインフレ抑制のためもあって、金利を強気で上げるようになりました。金利を上げるとドルの価値が高くなるので、必然的に金の相場は下がります。それで今年の3月には2000ドルを越えていた金相場が、9月には1600ドル台の半ばまで落ち込む事になりました。日本国内では円安の影響もあり、金相場はずっと上がり続けているように思えますが、こうしてドル建てで見ると世界的には金の相場は激しく変動しているのがわかります。

そして、10月に入りまた少し風向きが変わってきました。アメリカの景気に悪化の兆しが見えてきたのです。金利を上げるとドルの価値が上がりインフレを抑制する事ができますが、逆に景気にブレーキをかける事になります。日本の日銀が、円安にも関わらず金利を上げない理由もここにあります。円安抑制のために利上げをすると、日本国内の景気をより悪化させてしまうので、うかつに利上げできないというわけです。アメリカも景気を悪化させるわけにはいかないので、利上げのペースを落とすのではないかと予想されます。その予想が金相場を押し上げ、久しぶりに金相場は1700ドルに回復しました。この様子なら、10月も金相場は高い水準を維持できるのではないかと期待できます。


基本的に、金は世界が不安定になると高くなります。そして、世界の基軸通貨であるドルの価値が高くなると安くなり、安くなると高くなります。そのため、コロナが終息したり、ロシアの戦争が終われば金相場は下がります。逆にロシアが核兵器を使ったり、中国が台湾に攻め入ったりすると上がるでしょう。また、基本的にアメリカは利上げしていく方針なので、何事もなければ金相場は下がり気味に推移します。今月のようにアメリカの景気が悪化しそうな状況になると一時的に上がる事はありますが、本格的に景気が悪化しない限り、金相場が上がり続けるという事はないでしょう。
正直な話、ロシアや中国の考えが理解できないので、核戦争や台湾有事が絶対に起きないと断言できませんが、それくらいの世界的な危機が訪れない限り、金相場が今よりも高い水準になる事はないと思いますし、そのような事態に陥ったら、金を売って大金を得られたとしても使い道がないかもしれません。金を売ろうか迷っている方は多いと思いますが、今以上に金相場が高くなるのを待つより、十分高い今のうちに売ってしまって、全国旅行支援を使ってお得に旅行するなどして楽しんだ方が有意義だと思います。ぜひ当店にご相談ください。


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