鬼滅の刃と大正時代のお金

週刊少年ジャンプで連載されていた漫画『鬼滅の刃』が大人気だそうで、最近公開された映画はコロナ禍にもかかわらず歴代最速で興行収入100億円越えを記録したと大ニュースにもなっています。わたしの妻も、漫画を読んでみたいと言い出したので、本屋さんに買いに行ったのですが、本屋さんでも山積みになって売られていました。すごい人気ですよね。

鬼滅の刃と大正時代のお金さて、そんな鬼滅の刃の漫画を読んでみたのですが、7巻の巻末の番外編でちょっと気になるシーンが出てきました。多分、わたしのような人間以外は気にも留めない事だと思いますが、主人公の同期の女の子のカナヲを助けるためにお金をばら撒く場面があります。ほんの小さなカットですが、そのばら撒かれた紙幣や硬貨が、明らかに実際のお金を参考に描かれていて驚きました。

この漫画は大正時代の日本を舞台にしているのですが、実際にその当時に作られていた100円札や1円銀貨だとわかる描かれ方をしているので、作者がしっかり大正時代を調べて漫画を描いているのがわかります。今回の画像は貨幣カタログからの転載ですが漫画にも描かれた100円札です。漫画で描かれていたのは左側の1/3程度で、特徴的な藤原鎌足のイラストは描かれていませんでしたが、縁の模様や角の百の字が確認できるので、この裏紫100円札で間違いないかと思います。この時代の高額な紙幣は貴重なので、状態によりけりですが、最低でも10万以上の値が付く貴重品です。初期の品だと状態が良ければ100万を越える事もあります。ちなみに大正時代の物価を現代に換算すると当時の100円札は今では40万円くらいの価値がある超高額な紙幣です。そんな紙幣を何枚も投げつけるなんて、太っ腹ですね。

ただ、残念な事が一つあります。1円銀貨って明治末期や大正3年にも発行されているのですが、台湾など限らた地域で使われていて国内では使用されてなかったのですよ。時代考証って点では、硬貨を投げつけるなら1円銀貨ではなく旭日50銭銀貨にするべきでしたね。1円銀貨は龍のデザインでカッコいいですが、太陽が描かれた旭日50銭の方が物語的にも素敵かもしれません。閉ざされたカナヲの心を開いてくれる主人公は太陽が描かれた耳飾りを使っていますから。ついでに10円札とかも良かったと思います。当時の10円札って、裏に猪が描かれているのですよ。主人公やカナヲと同期の嘴平伊之助は猪の被り物してますからね。旭日50銭や裏猪10円なら、根上り松店で販売もしてますので、興味のある方はぜひ店頭でご覧になってください。


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