信頼できるお店

先日、ご来店いただいたお客様に信頼できるお店の見分け方について尋ねられました。貴金属や宝石、古銭などは当店にお持ちいただければ間違いないと思いますが、当店で扱っていない品物を、どんなお店に持ち込めば良いかお悩みだったようです。そこで、わたしは価格交渉をして、簡単に高くするところはやめておいた方が良いとお話ししました。買取に限らず販売においても、むやみやたらと値引きしたりせず、店頭の価格に自信をもっているお店は信頼できると考えて良いのではないかと思います。

わたしは学生の頃に古本屋でアルバイトしていた事があったのですが、その古本屋では、綺麗な本は定価の1割くらいで買取して定価の5割で販売、綺麗じゃない本は10円で買取して100円で販売という、ざっくりとした査定方法でした。綺麗な本は原価20%で粗利は80%、そうでない本は原価10%だから粗利90%とかなり高い利率で設定されていました。もちろん、売れずに廃棄される本や100円に値下げして販売する本もあるので、実際の利率は低くなりますが、それでも粗利70%くらいはありましたね。スーパーなど小売店だと粗利30%くらいがほとんど、当店の場合は20%くらいを想定して買取させていただいていますので、一般的な買取店より高く買取させていただく事ができるのです。その分、もう少し高くしてと価格交渉されても、せいぜい端数を切り上げるくらいのサービスしかできません。

さて、その古本屋では定期的に買取金額30%アップキャンペーンというのをやっていましたが、原価20%なのが26%になるだけなので、それほど利益を圧迫しないし、単価の高いゲームソフトやCDなどは、例えば通常3000円買取なのを、キャンペーン中は2400円買取として30%アップして3120円買取にするなど、インチキ臭いことをして、利益を減らさないようにしていました。普段安く買取していて、買取アップキャンペーンとかで高く買取するように見せかける。しかも、実際は元の値段を下げてほとんど高くなってない。わたしは、そんなお客様を騙すようなやり方についていけなくなって、その古本屋を辞めました。だから、わたしのいるお宝本舗根上り松店は、そんな買取アップキャンペーンなどをするまでもなく高く買取するように努めています。

ちなみにその古本屋では、時々100円の本を2冊で100円で販売するなどのセールを行っていました。実質50%オフなわけですが、10円で買取した本を2冊で100円で売れるなら粗利は80%もあるので、まったく利益を損ないません。このような大々的な割引セールをできるお店というのは、割引できる理由があるというわけです。観光地の市場とかでじゃんじゃん値引きしてくれるのも、もともとの価格設定が高くて、値引きしても十分に利益が出るのだろうと勘ぐってしまいます。ただスーパーとかでお弁当やお刺身とかを40%引きで売ってるのは、スーパーの粗利率を考えると原価割れしているのかもしれませんが、廃棄するよりマシという苦渋の選択なのでしょうね。

価格交渉をして、簡単に買取価格を上げてくれるところや、販売価格を下げてくれるところは、気前が良いお店のような気がしますが、しかるべき理由があって設定された価格を簡単に変えられるわけないので、逆に信頼できないと思えてしまうというわけです。もちろん、査定した店員がアルバイトで、価格交渉に応じる権限がないっていうケースもありますが、一つの目安にはなると思いますよ。


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