マイナス金利と金相場

最近、少し金の相場が上がってきています。一時は1オンスあたり1000ドルを切る勢いだったのが1200ドルを越えるところまできたので、20%も高騰している事になります。国内の価格でいうと1gあたり4100円だったのが4500円まできているので10%程度上がっています。国際的な価格と国内の価格の上昇率で差があるのは、円高の影響です。

この金の高騰を日銀のマイナス金利政策の影響だと見る向きもあるようです。確かに金利が下がり、市場に現金が流れやすくなると、物価は上がり、金の相場も高くなっていきます。しかし、金相場に大きな影響を与えるのはアメリカ経済なので、日本のマイナス金利政策が、金相場を直接押し上げているとは考えにくいです。

一番の原因は、世界的な株安による経済不安と、その株安によってアメリカの金利引き上げが先送りされるのではないかという見通しが、金の価格を高騰させているのだと考えた方が良いでしょう。というのも、本来マイナス金利を実施すれば通貨の価値は下がるべきなのに、それを差し引いても円が高くなっているという事は、円という安全資産を購入しようという動きが極めて大きい事を意味しています。

あと、日本の株価も暴落していますが、円が高くなると海外の投資家にとっては相対的に日本の株価が上昇するため売りに動く事が多いのも影響していると思われます。円が高くなったからと、即座に日本の景気が悪化するわけではありません。実際に1ドル80円の時代を日本は堪え切ったのですから、1ドル110円だからといって、まだ慌てるような時間じゃない。

中国経済の不透明さ、日本のマイナス金利政策、アメリカの利上げのタイミング。おそらくこの3つの要素からはじき出される答えがまだ見えないので、安全資産の円や金に現金が一時的に逃げているだけでしょう。これから再び金が上がりだすのか?それとも当初に予想していたように日米の景気が回復に向かい金の相場が落ち着いてくるのか?大きな分岐点に差し掛かっているので、注目していきましょう。


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