これから高くなるもの

春節を前にして金相場が少し上がっていますが、一時的なもので、金相場のピークは過ぎて下り坂である事に変わりはないとみています。金相場が下がり始めているという事をお客様にお話すると、よく聞かれるのは、じゃあ今は何が高くなっているのか?という事です。去年くらいまでは、自信を持って中国モノが高くなっています。とお話してきました。中国の好景気に支えられて、中国人好みの商品の値段が上がっていたのです。時計ならロレックス、バッグならシャネルといった、いかにもなブランドが中国の方の好みのようです。

そして、かつて日本の高度成長期の頃に流行っていたような事が、中国でも流行ってきました。切手・コインなどの収集です。特に、文化革命のあった時期の切手などは、中国本土にほとんど残っておらず、当時切手ブーム真っ盛りであった日本に流れてきた中国切手は、当時の数百倍以上の価値に跳ね上がりました。ある意味、中国でおこっているブランド志向や海外旅行ブームも、かつての日本と同じなのかもしれません。

ただ、中国の好景気に不穏な影が見え始めました。中国は国家の権力が強い国なので、多少景気が悪化しても、取り繕って好景気にみせる事が可能です。つまり言い方が悪いかもしれませんが、国家ぐるみの粉飾決算が可能な国なのです。見た目は景気が悪くなっているように見えなくても、いつ破綻がおきるかわかりません。日本でもバブル崩壊後に切手などの価値が軒並み下がったように、中国も景気が悪化すれば中国モノが高い時期は突然終わる可能性があります。

じゃあ、これからは何が高くなっていくのでしょう?切手やコインがまた高くなる見込みは薄いです。と言うのも、今の若い人が切手などに興味を持つ事がほとんどないためです。これから高くなっていくものは、今の若者たちが求める物の中にあると思います。例えばカードゲームのカード。マジックザギャザリングというカードゲームが誕生したのは二十数年前です。そんな短い歴史しかありませんが、数十万円とか中には百万円越えるような値が付くカードが存在しています。ショッピングセンターのゲームコーナーで子供たちが列をなして遊んでいるカードゲームの中にも、高くなっていくものがあるでしょう。また、公には禁止されているものが多いですが、パソコンやスマホのゲーム内のアイテムやアカウントが高く売れたりする事もあります。

かつて、切手は身近な存在でした。携帯電話もメールもない時代は手紙のやり取りが普通だったので、子供のころから切手に慣れ親しんできました。だからこそ切手を集めるブームがあり、価値も高くなったのです。今の子供たちにとって切手なんかよりゲームの方が身近な存在です。どんなに珍しい切手を持っていても、友達から凄いと言われる事はありません。しかし、ゲームのレアなアイテムを持っていると友達に羨ましがられる。昭和時代の子供たちが切手を集めたように、今の子供たちはゲームを集めるというわけです。

もちろん、ゲームが高くなるというのはほんの一例です。他にも高くなってくるものもあるかもしれませんし、ゲームの需要もいつか消えるかもしれません。しかし、何かが高くなるためには、欲しいという人が増えなくてはなりません。欲しい人が増えるためには、若い人が興味を持たなくてはなりません。さりとて、今の若い女の子たちの間で刀剣ブームがあるからと言って刀がすぐに高くなるとも思えません。若い女の子の購買力が弱いためです。ただ、もしそんな女の子たちが成長して購買力がついて、その時まで刀剣ブームが続いていたら、きっと刀が高くなる事でしょう。時代によってモノの価値というものはくるくると変わっていくのです。面白いですよね。


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