捨てる神あれば拾う神あり

このところ金相場の動きが激しいので、金の売り時がきになる方が多いようです。そのため、先日に引き続き相場の話をさせていただきますね。

前々回にキプロスが外貨準備として蓄えている金を売るかもしれないという話があると紹介しました。その影響で金相場は大きく下がりましたが、その後キプロスが金の売却もあり得るが優先的ではない事を明言しました。また、この機会に他の国の中央銀行が金を買い増しに動いた事もあり、金相場はやや値を戻します。捨てる神あれば拾う神ありというところでしょうか。

では、今後もまた金相場は上がっていくのか?と問われれば、それはないと思います。実際に今日の午後2時ころ、ニューヨークの時間で26日のお昼の12時前後の一時間の間のことですが、少しずつ値が上がってきていた金相場が1480ドルを越えたあたりから突然に1450ドル近くまで下がりました。約30ドルの下落は国内価格に換算すると、1g当たり100円近く安くなった事になります。その後、1460ドルくらいまで戻しましたが結局は前日より下がることになりました。

これは相場がある程度になったら売ろうと狙っている人が多いのだと思います。拾う神あれば捨てる神もいてしまうわけですね。キプロスも今すぐ金を売らないと言っているだけなので、他の手段での資金の調達ができなければ金売却に動くわけです。そうなるまで金を抱えこんでしまったら本当に金を手放す機会を失ってしまう事になりかねません。だとすれば、手放すタイミングを狙っている人が一段落するまで1500ドルを越える事は見込めないのではないでしょうか?円相場も1ドル100円近くまで下がっていたのが98円に戻ってきています。1ドルが1円安くなる(円高になる)と、国内の金価格は約50円安くなります。

金の国際相場はある程度以上に上がる見込みが薄い事や、じわじわとまた円高になってきている事を考えると、金の価格は下がり調子が続くと思われます。しかし、下がった下がったと言っても円安の恩恵で去年よりかは高いですし、依然として10年前の3倍以上の高水準を維持しています。まだ今なら高く売れるので、ぜひお早めに当店にご相談ください。


なお、ヨーロッパの国々はワシントン協定で欧州全体で年間に売却できる金の量を500トンまでと定めているので、例えば財政難に苦しむイタリアが保有している2400トンもの金を一気に売却するという心配はありません。しかし、ここ何年かはワシントン協定の枠いっぱいどころか、どの国もほとんど売却していなかったので、実際に一国でも売却の動きが出てくれば、相場に与える影響はかなり大きいと思われます。そうした中央銀行の金の売却に怯えつつ、金相場は上がったり下がったりを繰り返し、実際に売却が始まったら暴落して今の半額以下になるかもしれません。

円相場に関しては、おそらくもっと安くなっていくと考えられます。しかし、円安が進めば進むほど、ガソリンや食糧など輸入品の価格が上がり、エネルギーと食糧の大半を輸入に頼る我が国では、輸入品だけにとどまらず様々な物価の上昇を招きます。エネルギーや食糧の自給率の向上を国家全体で進めていく必要があるでしょう。為替操作で無理やり円相場を下げるのではなく、自然に少しずつ本来のあるべき数字に戻っていけば、1ドル120円くらいになると思いますが、それは来年や再来年という近い未来の事ではなく、10年単位で先の話だと思います。仮に1ドル120円になったとしても、その頃に金相場が下がってしまっていたら、国内の金価格も大きく下がっている事でしょう。

現段階では、一気に金価格が上昇するような要素は何も見つける事はできないのに対して、下がる懸念は大きくなる一方です。去年の今頃なら、上がる要素が2つあったので、まだ売るのをためらっていたお客さまに強くおススメする事はなかったのですが、今となっては話が違います。本格的に下がらないうちにお売りになられた方がよいかと思います。今がまさに金の売り時ですよ。


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