ようやく寒さも緩んできましたね。先月の上旬は寒くて震える日が続いていましたが、一ヶ月たっただけでずいぶんと暖かくなるものです。金相場の動きも、この一ヶ月で大きな変動がありました。
今まで何度も書いてきたように、円が安くなればなるほど、国内の金の価格は高くなります。ニューヨークの金価格に変動がなくても、ドル円が1円安くなると50円ほど国内の金価格は上昇します。一時期、1ドル75円まで上がった円が、今は81円にまで下がっているので、国内の金価格はかなり上昇し、テレビとかで盛んに金高騰が報道されていた去年の夏に匹敵する値になっています。金を売るにはちょうどいいタイミングですよ。
今回、円が急落したのは、日銀が追加金融緩和やインフレ目標1%を掲げた事が大きな原因でしょう。インフレは物価の上昇のことで、反対に物価が下がる事をデフレと言います。本来、経済成長は穏やかなインフレをともなうので、デフレが続いていた日本の状況は異常でした。当然、経済も成長せずに、わたし達のお給料も下がる一方、給料が下がれば商品も売れなくなるから、さらに値下げせざるを得なくなり、ますますデフレが進む・・・。何年も前から、様々な方面からインフレ目標の必要が語られてきましたが、ようやく日銀も重い腰を上げてくれたようです。為替介入で何兆ものお金をつぎ込むより、インフレ目標1%の方がよほど円安にしてくれましたね。
ただ、目標が1%では低いという意見もあります。実際、アメリカの中央銀行は今年から2%を目標にしています。また近年躍進目覚しいブラジルでは毎年数パーセントの高い目標を掲げて実践しています。もちろん、インフレは必ずしも良いものではありません。わたし達の給料が上がらずに物価だけ上がってしまうと、わたし達の暮らしはますます苦しくなってしまいます。この状態をスタグフレーションというのですが、資源を海外に頼りきっている日本は、急激に円安が進むとスタグフレーションに陥る危険性が高いのです。ブラジルのように、食糧やエネルギーの自給率が高い国は高めのインフレ目標を設定できるのでしょうが、日本では難しいので日銀が及び腰になるのも分かる気がします。
それに、インフレは暴走する危険性もあります。日本でも、戦後のインフレは凄まじかったので、日銀も慎重なのでしょう。また機会があれば戦後のインフレのお話もさせていただきますね。
さて、話が少し逸れてしまいましたが、国際的な金価格の上昇と円安が相まって、金を売る絶好のチャンス到来です。しかし、いつまで円安が続いてくれるか分かりませんし、年末のような金価格の下落があるかもしれませんので、この機会をお見逃しのないよう、ぜひご利用ください。