お盆とリメンバーミー

お盆とリメンバーミー浜松ではお盆を7月の13日から15日に行うお宅が多いですよね。わたしの実家は浄土真宗だったので、お盆に火を炊いたり、盆義理なんかはありませんでした。お盆って、仏教行事のような認識が一般的ですが、本来は仏教とは関係ないのですよね。ですから、浄土真宗ではお盆でもせいぜいお経をあげる程度ですし、それも亡くなった人の魂が帰ってくるからではなく、今生きているわたしたちが仏法にふれる機縁としてと考えています。

お盆はお釈迦様の弟子の目連が、地獄に堕ちた母を救うための供養を行ったという盂蘭盆経に書かれた伝説に由来する盂蘭盆会が元だとされています。しかし、この盂蘭盆経というのが中国で作られた偽経らしいそうです。目連の伝説は、古代中国の宗教の一つである道教の死者の罪を赦す事を願う行事を仏教にとりこむために作られた伝説なのかもしれません。しかし、その盂蘭盆会が中国からの仏教の伝来と共に日本に導入され、日本古来の神道の先祖崇拝と結びついて、現在のお盆ができたのだと考えられます。ですから、中国を経て仏教が伝わった日本や韓国にはお盆があるけど、中国を介していないタイにお盆はありません。このように、宗教が布教の過程で土着の宗教の風習を取り込んでいくのはよくある事で、キリスト教でもハロウィンやクリスマスなどもともとが異教の文化だった行事があります。

そもそも仏教の生死観は死んだら生まれ変わる輪廻転生です。そして、その目的は悟りを開いて輪廻から解脱する事にあります。そうすると、死者の魂があの世からやってくるという事そのものがおかしな話です。死者の魂は、すでに生まれ変わっているべきで、いつまでも地獄で罪の清算をしていてもらっちゃ困るのです。ただ、死者の魂が帰って来ないとしても、この機会にご先祖を敬ったり、仏法に触れる事は良い事です。それに、亡くなった人に帰ってきてもらいたいという気持ちはわかります。わたしも今年の1月に祖母を亡くしたので、やはり1月に生まれたわたしの子供に会いに来て欲しいと願ったりします。この思いは古今東西共通のものなのでしょうね。ヨーロッパのハロウィンや中南米の死者の日は日本のお盆のように死者の魂が帰ってくる行事です。今回の画像は2017年に公開されたディズニー・ピクサーの映画「リメンバー・ミー」のDVDですが、このリメンバーミーは死者の日が描かれた感動の名作ですので、ぜひご覧ください。


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