森友文書改ざん問題

あまり政治の話をお店のブログに書くべきではないとは思いますが、最近の森友文書の改ざんに関する報道や、野党議員の追及があまりにもお粗末なので、ちょっと書いておきたいと思います。

最近話題の森友文書の改ざんですが、テレビなどでは首相夫人の昭恵さんが学園側に「いい土地ですから、前に進めてください」と発言したと改ざん前文書に記載されていたと報道されていますが、実際は学園側の発言として、『打合せの際、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから前に進めてください』とのお言葉をいただいた」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)』という記載があったというだけです。つまり、籠池さんが昭恵夫人から激励の言葉をもらったと近畿財務局の人に語った事が書かれていただけなのです。それを、昭恵夫人が財務省に「いい土地ですから、前に進めてください」と働きかけたかのような印象を与えるような報道には悪意を感じられます。

他にも何人かの国会議員の記述が削除されていますが、それらも通常の陳情のレベルであり、それらの国会議員が財務省に圧力をかけたわけでも、財務省が圧力に屈して値引きしたわけでもないのは、改ざん前の文書を読めば一目瞭然です。つまり、安倍総理夫妻にとっても、国会議員たちにとっても、改ざん前の文書をそのまま公開していた方が都合が良かったわけで、公文書偽造の罪に問われるリスクを背負ってまで、改ざんを指示する必要は何もないのです。部外者のわたしにだってこの程度の事がわかるのに、なんで野党議員たちは総理らが改ざんの指示を出したと決めつけて追及するのでしょうか?さらに、元理財局長で国税庁長官を辞任した佐川さんが、まるでトカゲのしっぽのように切り捨てられたかのように語るのでしょう?総理らが書類の改ざんを必要としないのですから、改ざんは財務省が自ら行ったとしか考えられない。だとしたら佐川さんはしっぽどころか本体です。佐川さんを信頼して重用した麻生財務大臣の目を節穴だと侮るならともかく、佐川さんを切り捨てられた可哀想な人、麻生大臣を切り捨てた悪辣な人であるかのように語るのも悪意しか感じられません。

そもそもの問題となっている森友学園の土地の値引きの問題は、財務省側の不手際でしかありません。件の土地はいわくつきの土地で、飛行場や高速道路が近いために騒音が激しかったので住民を移転させて国が買い上げた土地でした。しかも沼地をゴミで埋め立てたので、大量のゴミが埋まっている事は予めわかっていた事でした。一説によれば、埋まっているゴミの処分料が地価を上回っていて、土地としての価値はないも同然だったそうです。実際に、森友学園の土地のすぐ隣の土地は、補助金と相殺という形とはいえ、2000万円ほどの金額で豊中市に売られています。しかも、森友学園の土地は、以前に大阪音大に売ろうとして失敗してしまい、宙ぶらりんになってしまったので、近畿財務局は早く処分したいと焦っていたようです。いわくつきの土地である事や、早く処分したいと焦っている事で、近畿財務局は籠池さんに足元を見られて、安く買い叩かれたというのが、土地の値引き問題の顛末です。総理の意向も、昭恵夫人の口利きも全くありませんでした。

ここからはわたしの推測ですが、籠池さんに足元を見られて不利な契約をしてしまった近畿財務局が、体裁を整えるために決裁文書に必要以上に政治家や昭恵夫人の名前を盛り込んだのではないでしょうか?だから、決裁文書には事実と違う部分ができてしまったから、それを隠した。そして、佐川さんも籠池さんに買い叩かれた恥を隠すために、価格交渉はしていないと言い張ってきたのではないでしょうか?だから、決裁文書に載っていた事前に価格交渉していた記述を隠した。役人が公文書に事実と違う事を記載する事があり得るのか?と疑問に思うかもしれませんが、加計問題で話題になった前川さん自身が、自分の意見を通すために総理の意向という言葉を勝手に使った事があると話していたように、役人がありもしない政治家の意向を振りかざす事があり得るのですから、自らの失態を隠すために政治家の名前を利用するという事は十分に考えられることです。

よく言われる事ですが、キャリア官僚が出世レースで勝つためには失敗しない事が重要事項になります。まして、受験戦争を勝ち抜いてきたエリートたちは、失敗した経験も少ない。それ故に、官僚制は失敗を隠してしまう隠蔽体質に陥りやすいのです。民間企業なら、失敗も経験のうちと捉える場合もあるし、失敗をしない事よりも積み上げた功績で評価される事も多いのですけどね。この官僚制の隠蔽体質が、今回の改ざん騒ぎの本質だと思います。野党やマスコミは、今回の事件を安倍総理や麻生大臣の責任問題にしたいのでしょうが、これは財務省の問題であって、政治家の問題ではありません。いや、これは財務省だけでなく官僚制全体の問題と言っていいでしょう。だから、総理や大臣を追及するのではなく野党も与党と協力して、官僚の隠蔽体質を改善していかなければならないのです。そんな問題の本質をまるで理解しようとせず、ただ倒閣に利用しようとする野党やマスコミがどれだけお粗末なのかがよくわかりますね。


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