押し買いの恐怖

先日、テレビ朝日の羽鳥慎一モーニングショーで「押し買い」の問題が語られたそうです。この押し買いというのは、押し売りの逆で、業者がお客様のご自宅にやってきて、強引に貴金属などを買い漁っていく事を言います。金相場が高騰して以来、このような押し買い業者が増えて問題になったため、法律が厳しくなり、押し買いで買い取られた品物がクーリングオフできるようになったり、業者が突然訪問する事が禁止されたりしたのですが、依然として押し買いの被害にあう人がなくならないようです。中には被害にあった事に気付いていない方もいるようで心配になってしまいます。

最近よく聞くのが、「着物を買取します」などのチラシをポストに入れていって、お客様自身に電話で出張買取の依頼をさせるタイプです。今は、買った時には何十万もした着物も二束三文の時代なので、着物の処分に困っている方が多いです。そこにつけ込んで、着物を高く買取するかのようなチラシを配る事で、お客様の方から招いてもらうのを狙うのです。しかし、実際にその業者を呼んでみると、着物は全部で1000円くらいにしかならない、これじゃ足代にもならないから何か他に売れるものはないか?と、貴金属など高価な品を売るように強要してくるようです。心優しい人は、せっかく来てもらったのに申し訳ないという気持ちになってしまい、つい指輪などを売ってしまうのだとか・・・。優しい人ほど被害にあいやすいなんてつらいですよね。

押し買いの恐怖また、こうした業者は連絡先を伝えない、あるいは偽の連絡先を教えて、後からクーリングオフされないようにして逃げていく事もあるようです。相場の半額以下で買い叩かれてしまった品を、クーリングオフで取り返そうとしても、連絡先が分からなければどうしようもありません。わたしたち古物営業許可を持っている業者は、行商としてお客様のご自宅で買取する事が許されています。通常この行商をする場合は、古物営業許可証か、行商従業者証を携帯しなければなりません。許可証はこの画像にあるような免許証程度の大きさの品物です。もし、お客様のご自宅に買取業者が現れた場合は、この許可証の提示を求めてください。許可証には業者の名称や住所、古物の営業許可番号が記載されているので、スマホなどでちゃんと存在している業者かどうかを確認する必要があるでしょう。もしその業者が許可証も持たずに来たなら論外です。すぐにお引き取り願いましょう。

こうした押し買いにあったとしても、普通に出張買取してもらったと思って、被害に気付いていない方も少なくないと思います。もちろん、まともな業者さんに買取してもらったのであれば、たとえ相場より安く買い取られてしまったとしても、お客様が少し損をした程度ですみます。しかし、着物を高価買取しますと嘘をついて上がり込んでくる業者や、偽の連絡先を教えるような業者なら、それだけで終わるはずがありません。こんな話を聞いたことありませんか?玄関などに、泥棒・空き巣や訪問販売・押し売り業者等が、騙しやすいカモの住人として目印を付けて行くって話を?一度カモだと思われたお客様は、悪徳業者の間で情報を共有され、何度も何度も狙われてしまうのです。別の押し買い業者が来るかもしれませんし、次は空き巣に入られるかもしれません。

このブログを読んでくださる方は、インターネットになれた若い方が多いと思うので、このような押し買い業者が来ても追い返せるでしょう。しかし、あなたのご両親やお祖父さん、お祖母さんが、押し買いの被害にあっているかもしれません。いや、被害にあったと自覚しているならまだマシです。被害の自覚もなしに悪徳業者のカモにされているかもしれません。ぜひ一度、身の回りの人たちが押し買いにあっていないか確認をしてみてください。


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