クリスマスと神道

最近、冬なのに暖かくなったり、冬らしく寒くなったりと、気温が落ち着かなくて嫌になりますね。先週お話したように、わたしもわたしの妻も胃腸炎が治ったと思ったら、病み上がりにこの気温差のせいで心身ともにまいってしまいました。皆様も体調管理にお気を付け下さい。

クリスマスと神道
12月になると街中がクリスマスカラーに染まりますね。当店は基本的に買取専門のお店なので、クリスマスなどの年末商戦は関係ないですが、この画像のようにクリスマスツリーを飾って、クリスマスをお祝いしています^^

しかし、この12月のクリスマスといい、10月のハロウィン、2月のバレンタインなどキリスト教由来のお祭りが不思議と日本に定着しますよね。日本では、神道、仏教に次いで人口的には3番目なのですが、仏教のお釈迦様の誕生日である花まつり(4/8)よりもひろく祝われているような気がします。余談ながら、仏陀とキリストが現代の日本で暮らすという設定の漫画『聖おにいさん』(講談社)でも、仏陀の誕生日がクリスマスに比べて注目されていない事をネタにしたお話がありました。

さらに突っ込んだお話をすると、先にあげたクリスマス、ハロウィン、バレンタインは、元をただすとキリスト教由来のお祭りではないという共通点があったりします。クリスマスはイエス・キリストの誕生日として知られていますが、実際にキリストが西暦1年の12月25日に生まれたわけではありません。正確な誕生日については諸説ありますが、12/25をクリスマスとしたのは、キリスト教よりも古い古代ローマの宗教の冬至祭をキリスト教の祝日とする事で、その宗教を取り込もうとした狙いがあったようです。ハロウィンも他の宗教の収穫祭でしたし、バレンタインもやはり古代ローマの結婚の神や豊穣の神の祭りであるルペルカリア祭が元になっています。逆に復活祭のようにキリスト教固有の祝日はあまり日本では大々的に祝われません。

おそらくこれは、日本の神道の影響が大きいのだと思います。神道は八百万の神というように、数多の神々が、ありとあらゆるものに宿る宗教です。異邦の神も神として認め受け入れる懐の広さは、同じように森羅万象に神々を見出す古代ローマの宗教感に通じるものがあります。だからこそ、自然現象や男女の自然な営みを祝うような古代ローマ由来のお祭りが、神道を土台にする日本人に抵抗なく受け入れられると考える事ができるのではないでしょうか?

逆に、クリスマスが単純にキリストの誕生を祝うだけの日であったなら、ここまで日本に浸透しなかったような気がします。神道では特に神々の誕生日を祝うようなお祭りは寡聞にしてしりません。そもそも、明治以前の日本では年齢は数え年でした。誕生日がくると一歳増える満年齢とは異なり、全員がお正月に一歳増えるという数え方です。誕生日を祝う習慣そのものが日本にはなかったかもしれませんね。


同じカテゴリー(雑記)の記事
川勝知事
川勝知事(2024-04-03 14:33)

トケマッチ
トケマッチ(2024-02-14 13:06)

恵方巻と伝統
恵方巻と伝統(2024-02-05 17:31)

価値観の転換期
価値観の転換期(2024-02-02 12:12)

新年のご挨拶
新年のご挨拶(2024-01-04 11:04)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
クリスマスと神道
    コメント(0)