金相場の妥当な額

金相場の妥当な額前回お話したように、金の相場はこれから下降傾向を強めていくと思われます。今回の図は前回同様にgoldprice.orgから転載したグラフですが、日本円での金相場の推移になっています。

ここ何年かの感覚だけで考えると、金の相場というものは、上がり続けるという認識になってしまうと思いますが、こうして40年分の過去を振り返ってみると、必ずしも上がり続けてきたというわけではないというのがよくわかります。むしろ、過去には今より高かった時期もあるりますね。それに、ほとんどの期間は今の半額以下なので、今がどれだけ高いかというのもよくわかるかと思います。

基本的に、金の価値というのは、上がっていくものというのではなく、時代や場所によって大きく変動しないものだというべきです。ここ10年程上昇し続けてきたのは、リーマンショックによるアメリカから世界を巻き込む大不況がおこった事、ギリシャなどのヨーロッパでの金融危機、アラブの春とよばれるアフリカや中東でおこった反独裁政権運動、といった世界規模の経済不安、社会不安が重なり、通貨への信用性が薄れた事が原因です。金の価値が上がったというより、通貨の価値が下がった事によって、相対的に金の価値が上がったように見えるだけと言ってもいいでしょう。

社会不安等によって押し上げられた分を差し引くと、金の価値は1gあたり2700円ほどと考えられます。というのも、1975年と今年との消費者物価指数を比較すると、物価はおよそ1.8倍ほどになっているので、当時の金相場が1g1500円くらいですから物価相応に上昇していれば2700円となるからです。実際の金相場が、この物価の推移から算出した値と異なるのは、まだそれだけ大きな社会不安の影響があるからでしょう。もし、世の中が平穏になれば、この2700円にどんどん近付いていくはずです。

もちろん、また有事の際には金相場が押し上げられる事でしょうが、日本のバブルが崩壊した時だって、金相場は大きな反応を見せませんでした。湾岸戦争の時だって多少は値上がりもしましたがすぐに下がっています。日本に生きる我々にとってバブル崩壊は一大事でしたが、金相場にとっては些細な出来事だったのでしょう。金相場を上げる有事というのは、世界を巻き込むような大事件なのです。ちょっとやそっとの事では高騰しません。

金相場は高騰のピークを越えて、確実に下がり始めています。とはいえ、まだピーク時に比べても一割ちょっと低い程度。何事もなければ、ピーク時の半額程度に下がる可能性があるので、やはりまだ高いうちに金は売ってしまう方がお得です。今から35年前の今より金が高かった時期に、金を買ってしまって長年手放せずにいる方も多いと聞きます。今の売り時を逃すと、次の売り時が何十年後に来るかわかりません。ぜひ当店にお早めにご相談ください。


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