バブル崩壊?

先週お話したギリシャの国民投票で、ギリシャはEUが求める改革を拒む選択をしました。その後、逆にギリシャ側から改革の修正案が出され、今はその修正案を認めてギリシャへの援助を継続するかどうかをEU内で検討している状況です。報道された情報を見る限りでは、ギリシャ側の修正案はEUが求めた改革案に沿った形なので、EUは援助を継続する事になるのではないかと予想されます。もっとも、土壇場になって物事を引っ掻きまわして世界中に混乱を呼んだチプラス大統領をどこまで信頼して良いものか・・・。ギリシャの国民も、Noを選択したのに、結局は元の提案と大差ない改革をする事になり、また年金が減らされたりした時にどんな反応を示すか不安です。

そのようにいまだ不安は残るものの、ギリシャ支援が継続される見込みが高まったために、金の相場が上がる見込みは薄れました。そこに加えて、中国でバブル崩壊と思われるほどの株価の急落がおこっている事で、金の相場はどんどん下がりつつあります。中国の金を好む国民性から、多くの中国人が金を抱えています。景気が悪化して、購買力がなくなれば、金の需要は下がりますし、現金が必要になれば金を手放す必要に迫られます。もしこの中国の株価の下落が続くようであれば、金の相場もさらに下がると考えて良いでしょう。アメリカの利上げも遠からず実行されるでしょうし、金相場が下がりそうであれば中国人のみならず、世界の投資家たちもある程度の金を手放す可能性が高いです。

問題は中国の経済がこのまま崩壊してしまうかどうかです。この暴落の前に中国の株価は異常な高騰をしていました。経済の実態に反した急騰であったために、実態に近付くように揺り戻しているだけの可能性も高いです。かつて日本でも、NTT株に個人の投資家が殺到し、一時は高騰したものの、あっという間に暴落した事がありました。あの時のように、高くなっている株は今後も高くなり続けるだろうという漠然とした思いこみで、中国の個人の投資家たちが群がったために急騰し、その反動で急落しているわけです。もし、反動が過ぎ去る事で再び上昇に転じるのであれば、金の価格も落ち着きを取り戻す事でしょう。しかし、その反動が大きすぎて中国経済が転覆してしまえば、日本のバブル崩壊の二の舞となるでしょう。

もし、中国バブルが崩壊ともなれば、リーマンショック以上に世界に影響が出ると考える人も少なくないので怖いですね。ただ巨大な中国市場は魅力的ではありましたが、中国という国の異質さから、中国市場への参入を敬遠したり、参入したものの撤退した企業、投資家は少なくありません。もし中国バブルが崩壊したとしても、その影響は限定的である可能性もあります。今後の中国の動きに注目していきたいと思います。


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