日銀の追加金融緩和と金価格

日銀が追加金融緩和を決めた事で、大幅に円安に動きました。これを吉ととるか凶ととるかは、専門家でも意見が分かれるところでしょう。実際に金融緩和政策を決める9人の政策委員のうち4人が追加緩和に反対したというのですから、委員の中でも半数近くが凶ととったようです。円安になれば、輸出が伸びやすくなるので、大企業にはメリットが大きいですが、輸入品を原料に使うような工場などでは生産コストが増す事になりますし、食料やエネルギーの多くを輸入に頼る日本においては、庶民の生活にも影響が出ると考えられます。日本政府としても、過剰な円安は望まないはずなので、円安を食い止める、あるいはこれ以上の円安を呼ばない政策をとらざるを得なくなる事でしょう。

まあ、全体的な事を話しだしてはキリがありませんので、当店に大きくかかわる金の価格に円安が及ぼす影響に絞って、少しお話します。
まず、円が安くなると国内の金の価格は上昇します。国内の金の価格は、ドル建ての世界的な金の価格に対して、日本円でいくらになるかで決まってきます。国際的な金相場は1トロイオンスあたりの価格をドルで示すのですが、仮に国際的な金相場が1200ドルとして、1ドル109円なら1200÷31.1×109で1gあたり約4205円。1ドル112円なら1200÷31.1×112で1gあたり約4321円という感じで、円相場が1円下がると国内の金価格が40円程上がる事になるのです。

そんなわけなので、円安になりつつある今は、金の値上がりを待った方が得のように思えます。しかし、実はそうではありません。円が安くなると、日本の輸出産業が伸びるのは明白ですし、円そのものが安くなるので、日本の株が魅力的になってきます。金そのものは、持っているだけでは何の利益を生む事がないので、景気が悪くて株価が下がり続けていた時期はともかく、株価が上がってきている時に金を持つ事に意味はありません。海外の投資家たちが、金を持っているより日本の株を買った方が得だと判断すれば、資金の流れは金から株へと移り変わり、金そのものの価値が下がっていく事になります。

国際的な金相場が下がれば、円安による金の価格の上昇と相殺される形になります。仮に1ドル112円でも、金相場が1160ドルなら1160÷31.1×112で1gあたり約4177円となり、1200ドル109円だったころより国内の金価格は下がってしまう事になります。円安は進みすぎないように国の政策が歯止めをかけるでしょうから、ある程度のところで円安は頭打ちになる事でしょう。短期的には円安で金の価格が上がるにしても、長い目で見ると金は下がっていくと考えた方が妥当だと思います。もし仮にアベノミクスが大失敗すれば、リーマンショック以上の不況が世界を襲う事になるので、金の価格は再び高騰する事になるでしょうが、そのような立て続けの大不況に世界が晒されたらどうなるかを考えるだけでも怖い話です。

今、日本の政治・経済は難しい岐路に立たされています。庶民レベルで景気回復に役立つ事をする事は難しいですが、不要な金を売って、そうして得た現金を消費することで、わずかでも日本の景気がよくなります。金の価格はこれから下がっていくでしょうから、ぜひお早めに当店に金を売って現金に換えて使ってください。よろしくお願いいたします。


上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
日銀の追加金融緩和と金価格
    コメント(0)