金価格と消費税

最近見かけた雑誌の記事で「金の価格同じなら消費税5%で買い10%で売れば増税分儲かる」なんて事が書かれていました。なかなか興味深い話ですよね。確かに、金の買取金額には消費税分も含まれているので、その通りといえます。ならば、今は金が買い時なのでしょうか?しかし、それには2つ条件があります。一つ目は、金価格が今より上がるか、大きく下がらない事。二つ目は実際に増税される事です。

金価格はこの10年で驚くほど高くなりました。10年前の実に3倍以上になっています。では、これからも上がり続けていくのか?と問われれば、その判断は難しいとしか言いようがありません。例えば、今月は金価格が上がってきていて、先月の25日と比べるとおよそ5%ほど高くなっています。これは、アメリカの景気回復へのテコ入れに量的金融緩和(QE3)を行うのではないか?という期待感から金が買われているためで、QE3が行われれば、資金供給が増えるので、物価は上昇し金価格もさらに高騰することでしょう。
しかし、実際にQE3が行われると決まったわけではありません。今年はアメリカで大旱魃がおこっており、農作物に甚大な被害がでて、食糧が高騰しています。資金供給が増えるという事は、ドルの価値が下がり物価の上昇につながるので、食糧不足と相まって物価の高騰を招き、景気回復へのテコ入れどころか、より悪化させる事も考えられます。現時点では、QE3が行われるかどうかは半々といったところでしょう。QE3が先送りされれば、むしろ金価格の急落もあり得ます。このように、相場は様々な要素で変動するので、確実に予測する事はできません。

また、日本国内での増税が、実際に行われるかどうかも未定です。あちこちで話題になっているように、今月の10日に消費増税関連法案は参議院でも可決したのですが、いわゆる景気条項が設けられているので、増税が予定されている時期が来たときに景気が回復していなければ、増税を見送る事もできるようになっています。増税を強行するか、見直すかは、その時の政権にゆだねられており、今の時点では必ず増税するとは決まっていないといえます。
現状を考える限りでは、消費税が8%にするとされている2014年の4月の時点までに景気が好転しているとは考え難く、不況時の増税はさらなる不況を招くので、その時の政権にまともな判断力があれば、増税は見直される可能性が高いのではないかと思われます。
ついでに言えば、仮に増税後に売って5%分の得をしたとしても、増税後ですからその儲けたお金を使って買物するときは商品がすべて5%高くなっています。それなら、増税前に売って、そのお金を増税前に使ってしまった方が得なのかもしれませんね。

「金の価格同じなら消費税5%で買い10%で売れば増税分儲かる」という記事を読むと、今のタイミングで金を売るのはもったいないように思えるかもしれませんが、こうして見てきたように増税を待った方が得だとはとても言えません。むしろ、10年前の3倍以上という高水準を維持している間違いなく高い今のタイミングで売った方がお得だと思います。
もし、使わない貴金属がありましたら、一度当店にお持ちください。ほんの一握りの金製品で、数万円の買取金額になるかと思います。ぜひ検討ください。


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