お宝本舗

以前、このブログで数百万円する漫画本『UTOPIA 最後の世界大戦』についてチラッと書きましたが、つい先日、わたしが読んでいた本の中にこの『UTOPIA 最後の世界大戦』が登場して驚かされました。読んでいたのは三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』（メディアワークス文庫）という古書店を舞台にしたミステリ仕立ての小説です。若者向けのライトノベルということもあってか、純粋にミステリとして読むと物足りなさを感じてしまうかもしれません。しかし、実在する古書が何冊も登場したり、古書店の舞台裏が覗けたりするので、本に愛着のある人にとっては、ミステリとして以上に楽しむことができると思います。

さて、この『ビブリア古書堂の事件手帖』には、『UTOPIA 最後の世界大戦』の他にも定価の何倍ものプレミアがつく本が登場します。以前に比べるとプレミア価格も下がってきていますが、未だに高額で取引されている古書や、古漫画も少なくありません。当店でも専門の古書店には及ばないものの多少は心得のある者がいますので、お持ちいただければ相応の価格で買取できると思います。まずはお気軽にご相談ください。

ちなみに新古書店、リサイクル書店などと呼ばれることもある最近の大型の古本屋では、このようなプレミア本にプレミア価格をつける事はありません。目利きの世界である従来の古書店と違い、新古書店は素人のアルバイトでも本の買取ができるシステムを目指したので、プレミア本を一切無視するのです。
逆に、インターネットの大手通販サイトのamazon.co.jpでは、希少でもなんでもない本が定価を上回る価格で出品されている事が少なくありません。amazonマーケットプレイスには専門の古書店でなくても出品ができてしまうため、門外漢が相場からかけ離れた値付けをしてしまうのです。
実は、従来の古書店でも、そのお店の得意なジャンル、不得意なジャンルがあったりします。今までに発行された本は尋常じゃない種類なので、そのすべてに精通している古書店はないと思います。それくらい本の世界は奥深く幅広いのです。

どんどん文明が発達して、今ではスマートフォンでデータをダウンロードして読書する時代になりつつありますが、わたしのようなアナクロな人間は、実際の本を手にとって、ページをめくりながら読む行為そのものも好きなので、おそらくこれからも本屋さんで本を買い続けるのでしょうね。今日もまた、わたしはポケットに文庫本を入れて出かけます。そうして、何かの待ち時間や食事の最中などに、ちょっとずつ本を読み進むのが楽しいのです。あなたの周囲のおしゃれなレストランで読書をしている場違いな雰囲気のオッサンがいたら、それはわたしかもしれませんよ。

	ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
	クリエーター情報なし
	アスキーメディアワークス