ジェネレーションギャップ

ジェネレーションギャップ今から30年近く前にキョンシーが大流行しましたね。キョンシーとは言うなれば中華版のゾンビで、そのキョンシーを題材にした霊幻道士とか、幽幻道士という映画やドラマが、香港や台湾でたくさん作られ、日本でも放送されました。わたしもあの両手を前に出してピョンピョン飛び跳ねるキョンシーの動きを真似して遊んだものです。ふとしたことでその事を思い出して、お店の若いスタッフに話したのですが、そのキョンシーが分からないと言われて、世代の違いを感じてしまいました。

さて、そのキョンシーを思い出したふとしたことというのが、今日の写真の品物です。これは風水などで使われるお守りですね。これ自体は珍しいものでもないですし、キョンシーとは直接関係はありません。「雷霆 殺鬼降精 斬妖辟邪 永保神清 奉太上老君 急急如律令」とあるので「雷で鬼を殺し、幽霊を降し、妖怪を斬って、邪悪を避けて、永遠に神清を保てるよう、太上老君の名によって即座に実行することを命じる」という程度の意味でしょうか?この太上老君というのが道教における主要な神様の一人?である道徳天尊の事です。それで、冒頭のキョンシーの話につながります。キョンシーを操ったり倒したりするのは道教の道士たちなのです。

太上老君というと、15年ほど前にアニメ化などもされた漫画「封神演義」を思い出す人もいるかと思います。そう、この様々な仙人達が活躍する神仙思想の世界が道教の世界なのです。元始天尊、哪吒、楊戩など封神演義で活躍したキャラクターたちはみな道教の神仙たちなのです。
また、急急如律令と聞くと陰陽師を思い浮かべた方もいるかもしれません。これまた10年ほど前に映画もやりましたね。野村萬斎さんが演じる安倍晴明が印象的でした。陰陽師は中国の神仙思想の影響も大きく受けているので意外と共通する点があるのです。

このように古物を扱っていると、たかが風水のお守りひとつから、キョンシーやら陰陽師やらといろんなものが連想できてなかなか面白いものですよ。ただ、最近の若者はこのような古い物に興味を持たない人が増えてきているようです。こういうのもジェネレーションギャップというのでしょうか?その品物にまつわる様々な歴史を調べたりするのも面白いのですけどねぇ。


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